AIDS/HIV問題 個別施策層への取組について

AIDS/HIV問題 個別施策層への取組について

一昨日に「〔厚労省〕4/1施行.後天性免疫不全症候群予防指針」を備忘録的意味もあって思った事を書いたところ、鈴木めぐみさんから「職員の意識改革、どうしていこうか。」と書いていただきました。それで、ちょっと思っている事を書こうと思います。

先日ある行政の方から県内の「ゲイ」に対するエイズ/HIV感染症の予防啓発活動の業務委託の打診がありました。僕たちができなければ、NPO法人アカー(http://www.occur.or.jp/)に委託しようと考えているということでした。

僕はせっかくの申し出ですが…と断りました。
委託の業務内容は充分できる内容でしたが、同じ内容をNPO法人アカーが行った場合にはもっと成果がでるように考えたからです。

アカーとLT(NPO法人LivingTogether)の大きな違いは組織力と研究活動です。LTは定性情報しか持っていません、静岡県で活動しています。アカーは定性情報と定量情報も持っています。予防啓発活動は成果が見えにくいので、同じ業務をやったとして、アカーの場合には次につながる報告書ができると思います。ただ、アカーは東京、首都圏での活動がメインです。

何が言いたいかというと、行政の方はある課題を解決する為にNPO、NGOと協働するわけなので、この場合には最初からNPO法人アカーに依頼すればいいと僕は思うのです。アカーは東京にありますので、その課題を解決する為に静岡県での活動が弱いのであれば、その時点でLTに依頼して欲しいと思ったのです。

NPO(ボランティア団体)によっては活動資金が足りない、欲しいと言っているところがたくさんあります。もちろん僕たちももっと活動資金があれば温めている企画をどんどん実現できます。それで浜松がもっと住み良くなるはずだと確信しています。

でも、広告代理店やイベント会社ではありませんから、なんでもいいから委託して欲しい、寄付が欲しいわけではないのです。差別がなくなって住みやすい社会になればそれでいいのです。病気に悩む人がいなくなればいいのです。

行政でやっていないことがあるからボランティアでなんとかしようとがんばっているのです。行政でその課題が見えたら、できるだけ効果の高い方法を取って欲しいのです。

保健関係は女性の職員が多いですからゲイへのアプローチはできないと思います。ゲイへのアプローチが必要ならできるだけ効果の期待できるNPO、NGOと協働して課題解決にがんばって欲しいわけです。県内にLTしかないので…ということで委託されては僕らも困ってしまうんです。目的は課題解決なんですから。

めぐみさんが書かれた「職員の意識改革」はぜひやって欲しいことです。
住み良い社会(浜松市)を作るのに圧力団体に負けては駄目です。NPOと協働しなくても課題が解決されるくらいの浜松市役所であって欲しいと思います。課題を早急に解決するために協働が必要なら最適なところと組んで欲しいと思います。課題に対して充分な理解と分析がされていることと柔軟な発想による施策立案と行動力に期待しています。

NPOリビングトゥゲザーはエイズ/HIV感染症、STD(性感染症)の正しい理解を皆さんに知ってもらい、感染しない、感染者を差別しない、健康で豊かな生活を送ろうといった目標で活動をしています。

特に、ブラジル人、ゲイ(男性とHをする男性)、風俗で働く若い女性、感染者に対して活動をしています。僕たちは「差別」のない社会を理想としていますので、エイズ/HIV感染症で差別されやすいのが、外国人とゲイ、職業で差別されやすいのがセックスワーカーなので、これらの層へのアプローチをしています。

はからずも、国の予防指針のエイズ/HIV感染症の特別施策層への対策を考えている団体なんです。

国の機関や他県などからは期待されているようなんですが、浜松市からは期待されていないのは何故でしょう?

ボランティア団体ですから、期待されていなければそれはそれでいいんですけどね(笑)。

少し前に書きましたが、エイズ/HIV 感染症は医学の進歩によって死亡率はずいぶん下がっています。黙っていれば病気だとは誰も気がつきません。

ところが、精神的に病んでしまう人が多くて、心に問題を抱えている人が多数いらっしゃいます。心の問題を扱っているボランティア団体にお願いしたりしたんですが、どこも対応できないようです。ある団体は歴史もあって名前も通っているのに門前払いされてしまいました。
こういったボランティア団体が多数あるようでは、浜松市役所の職員の方々もNPO、NGOとの協働と国や県から言われてもやりたくないだろうなぁという気持ちも分かります。

五 個別施策層に対する施策の実施

 国及び都道府県等は、引き続き、個別施策層(特に、青少年及び同性愛者)に対して、人権や社会的背景に最大限配慮したきめ細かく効果的な施策を追加的に実施することが重要である。
 特に、都道府県等は、患者等や個別施策層に属する者に対しては、対象者の実情に応じて、検査・相談の利用の機会に関する情報提供に努めるなど検査を受けやすくするための特段の配慮が重要である。また、心理的背景や社会的背景にも十分に配慮した相談が必要であり、専門の研修を受けた者によるもののみならず、ピア・カウンセリング(患者等や個別施策層の当事者による相互相談をいう。以下同じ。)を活用することが有効である。


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この記事へのコメント
公開交換日記みたいですね。
ありがとうございます。

MACKさん、もっとお話伺いたいのですが、時間つくってもらうことできませんか?

よろしくお願いします。
Posted by 魔女っ子 at 2006年04月13日 23:40
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